久保内科病院 広報誌


Vol.16
2008年夏号

発行/医療法人是心会 久保内科病院 佐世保市田原町11−9(広報委員会)TEL 0956-49-3377

がんの痛みと麻薬                     副院長 坂口 洋司


図-1
 みなさんは、麻薬というと怖い薬という思いがありませんか?犯罪と関連して麻薬中毒があることより、麻薬は使ってほしくないとお考えの方が多いのではないかと思います。そこで、がんの痛みとそれを取り除く薬としての医療用麻薬について説明したいと思います。   がんが進行すると種々の痛みが生じます。その痛みの程度はごく軽いものから耐えられないような激痛までさまざまです。痛みの程度を表わす指標はいろいろありますが、私たちは顔の表情による五段階で痛みの強さを患者さんへ尋ねることにしております(図-1)。これまで我が国では、多くの患者さんは痛みに対して我慢し、それが当然と思ってこられました。今は、がんの痛みはとることができます。痛みが発生したら遠慮なく、医師や看護師などへ訴えてください。患者さんに伝えてもらわなければ、がんのいたみの強さを正確に把握することはできません。痛みが消えるまで医師や看護師にその痛みを伝えてください。

図-2
 1986年に発表された「WHO方式がん疼痛治療法」は、「がんの痛み治療」として世界中で実践され、多くのがん患者さんを激痛から解放することに貢献しました。現在ではがんが診断された時からがんの治療と並行して痛みの治療と緩和ケアを始めます。以前に考えられていたように、痛みの治療と緩和ケアはがん治療がこれ以上できなくなってから使うものではありません(図-2)。
 痛みの治療目標は、痛みで眠りがじゃまされない(第一指標)、安静にしていれば痛まない(第二目標)、体を動かしても痛みが強くならない(第三目標)というように段階的に目標を達成するように治療を進めていきます。  がんによる痛みを除去する薬剤の選択は3段階で行います。第1段階は非麻薬の鎮痛剤で治まる比較的軽い痛みです。そのような薬が効かなくなると第2段階の効果の弱い麻薬の鎮痛剤を使います。それでも痛みが増強すれば第3段階の強力な鎮痛作用をもった麻薬を使います。そのような強力な麻薬と併用すればさらに痛みをコントロールできる鎮痛補助薬というものがあります。これらの薬剤を上手に使って患者さんの痛みを完全に取り除くことが目標です。

図-3
 麻薬と聞くと不安に思う方もいらっしゃるでしょうが、痛みのある人が適切に使用すれば「中毒になる」「死期を早めてしまう」ということはありません。医療用麻薬について正しい知識を持って、医師の指導のもとで正しく使用することが大事です。2005年の我が国の医療麻薬消費量に比べ、イギリスは5.5倍、アメリカは19.1倍も使われており、我が国で実際に必要な麻薬の量はもっと多いと考えられます(図-3)。
 がんの痛みはとることができます。がんの痛みは医師や看護師等に伝えてください。

 

 

 

 


6月から勤務しております 〜自己紹介〜

医師 竹原 裕介

 広島県のみつぎ町という周りに何もない田舎から佐世保の町に転勤して約4年が経ち、かなり佐世保の町にも詳しくなってきました。4年間佐世保の千住病院にて消化器内科医として働いておりましたが、平成20年6月より久保内科病院にお世話になることとなりました竹原裕介といいます。今年で41歳になります。出身は長崎市内ですが、いろいろな病院に勤務してきましたので、県北地区でいうと短い期間ではありましたが佐世保市立総合病院、北松中央病院などでも働いておりました。今回同じ佐世保市内の病院に転勤となりましたので、さほど違和感なく来れました。とは言え初めて働く病院ですので、病院の仕組みを理解したり、スタッフの人たちとのコミュニケーション、また患者さん一人一人の病状、病態、性格など把握していくのには時間がかかり御迷惑をおかけするかもしれません。なるべく早く久保内科カラーに染まるように努力していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。


折り紙

日本折紙協会認定講師 元検査室技師長 川崎 道子

季節を折る ―夏―

 いよいよ夏。いかがお過ごしですか?先ずは子猫のご挨拶です。夏の折り紙には必ず、かたつむり、あじさい、ひまわり等が登場しますが、今回は伝承の立体かたつむり、パーッと明るいポピーをご覧下さい。七夕の色紙には今風にシールや爪飾り用シール等も使って華やかに仕上げました。夏といえば花火。ユニットの組合せ(形や色)でいろいろな花火が楽しめます。ウチワには朝顔、金魚がよく使われますが、柳とツバメにしてみました。最後の色紙は海の風景です。飛んでいるのは、勿論飛び魚です。
 この一年を季節の折り紙で追ってきましたが、もう一巡りしました。ドナルドのご挨拶でさようならです。
 皆さん、夏バテしないようにご自愛下さい。では、ごきげんよう!


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作品は検査室の前、旧館待合室に展示してあります。
ワンポイントリハビリテーション Vol. 6

理学療法士 横田 英敏・秀野 公一

腰痛をお持ちの患者様へ

 腰痛には様々な原因がありますが、変形などの骨的な原因以外では背骨をささえる体幹筋 (腹筋・背筋)の筋力低下や背骨の周辺の筋肉と関節の柔軟性の低下が主な原因といわれています。今回は自宅でできる体幹筋の強化方法をご紹介します。体幹筋の筋力が向上してくると、脊骨への負荷が軽減できるため痛みが改善します。
下図に示した運動を10回1セット程度で毎日続けてみましょう。

  1. まず仰向けになり軽くひざを曲げ、手を太ももの上に置きます。
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  1. 肩が床から10cm位離れるところまでゆっくり上体を起こし、この姿勢をそのまま5秒間保ちます。
  2. 5秒間たったらはじめの姿勢に戻ります。

参考:http://www.sigmax.co.jp


編集後記

 今回のこころはいかがでしたか?早いもので1年の半分がすぎました。今号ではがんの痛みと麻薬について副院長先生に掲載していただきました。その中でも書いてありましたが、正しい知識を持って薬を使用することで、痛みはコントロールすることが出来ます。この機会に理解していただければと思います。
 しばらくはじめじめとした日が続きます。食中毒などを起こしやすい時期でもありますので衛生管理、体調管理に御注意ください。

(小野 和子)

編集長  坂口(副院長)
編集委員 笹山・蛭子屋(事務部)、谷・小野・村山・金子(看護部)、岩佐(検査部)、濱野(薬剤部)、橋口(放射線部)、中島(栄養管理室)、秀野(リハビリ)

平成20年 7月 6日作成