久保内科病院 広報誌


Vol.14
2007年冬号

発行/医療法人是心会 久保内科病院 佐世保市田原町11−9(広報委員会)TEL 0956-49-3377

薬の飲み方                       薬剤師 中川 勝憲

「薬って、いつ飲むの?」薬の服用時間について
 病院で処方されるお薬は、「食後(食事の後30分以内)」に服用して頂くものが多いようです。それは、“食事”という生活パターンに合わせて服用することが、お薬の飲み忘れを防ぐ最も良い方法であるからです。しかし、中には食事の直前や食間(空腹時)に服用しなければ効果が得られないお薬もあります。このようなお薬は、その指示通りに服用しないと効果が無いだけでなく、かえって体の具合が悪くなる可能性もあります。今回はそのようなお薬について、どうして指示通りに服用しなければならないか、ご説明したいと思います。

「食直前(食事の15分前から直前)」のお薬
 食後の高血糖を防ぐ働きがある糖尿病のお薬は、食事の直前に服用しなければなりません。お薬が効き始める時間と食べ物が消化される時間を合わせるために、お箸を持つ直前に服用して下さい。食事をした後ではすでに血糖値が上がってしまうため効果がありませんので、飲み忘れが無いように必ず服用して下さい。

「食前」または「食間」のお薬
 漢方薬は空腹時に吸収が良いため、「食前 (食事の20〜30分前)」または「食間(食事の約2時間後)」の服用が望ましいとされています。また、胃の粘膜を修復するお薬は、一般に「食間」に服用すると効果的です。それは、胃や腸の粘膜に直接働いて保護するためで、空腹の方が胃や腸の表面に作用しやすいからです。食事の前に、あらかじめ胃の運動を活発にする食欲亢進剤や吐き気止めのお薬は、「食前」に服用することが多いお薬です。
 「食間」とは食事中のことではなく、食後2時間くらいの空腹の時ですので、くれぐれもご注意下さい。

「食直後」または「食後」のお薬
 酸や油に溶けやすい性質を持つお薬は、胃酸の増加や食事の脂肪成分によって吸収が高まると考えられます。そのため、このようなお薬は「食直後(食事のすぐ後)」に服用することで、高い効果が期待されます。
 ロキソニン等の解熱鎮痛剤(痛み止め)は胃粘膜への強い刺激があり、長い期間飲み続ける場合には胃の粘膜を保護するため、必ず「食後」30分以内に服用する必要があります。

「寝る前」、「起床時」のお薬
 「寝る前」のお薬には、夜間の咳や胃酸の分泌を押える薬、睡眠を助けるお薬、朝の排便を助ける緩下剤などがあります。 就寝される30分くらい前に服用して下さい。
 「起床時」のお薬は、朝起きてすぐに服用していただくお薬です。特に骨粗しょう症のお薬は飲食物の影響で吸収が妨げられるため、服用後30分間は水以外口にしないで下さい。また、粘膜への強い刺激があるため、お薬を服用後しばらくの間は絶対に横にならないで下さい。

「頓服」のお薬
 「頓服」のお薬は医師の指示に従って、症状が強くお薬が必要な時に服用して下さい。痛み止めや解熱剤、狭心症の発作(胸痛時)の舌下錠、下剤などがあります。1日の使用回数が決められていますので、使いすぎに注意し、症状が改善しない場合は早めに受診して下さい。

 以上のように、お薬を服用する時間はそれぞれ決められていますので、用法や用量の指示をきちんと守るように心がけて下さい。また、患者様のご容態や生活スタイルによって、上記以外の服用方法で処方されることもあります。どうしても飲み忘れてしまう患者様には、たくさんのお薬を1回分ずつ袋の中に入れる「一包化(いっぽうか)」という方法があります。「一包化」することで、薬の飲み忘れや飲みすぎを防ぐことができますので、医師や薬剤師にご相談下さい。


経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)について

医師 豆谷 俊一

 脳血管障害、認知症、頭頚部癌などの疾患により1)摂食不能・嚥下不能、2)誤嚥性肺炎を繰り返すなどの理由により全身の栄養管理のため経腸栄養剤の投与経路として胃瘻造設することが増加しています。胃瘻とはお腹にチューブを入れるというよりお腹に口を作る、いわばトンネル工事です。
 胃瘻造設手技は内視鏡との併用でガイドワイヤーを挿入し口腔内を通過してカテーテルを留置するPush/Pull法、腹壁と胃壁を固定しトロカール(太い針)を穿刺してカテーテルを留置するIntroducer法があります。近年、普及が進んだIntroducer法はPush/Pull法に比較して、内視鏡挿入が1回で済み、口腔内を通過しないため清潔手技が可能で、感染合併症が少ない利点があります。さらに細径の内視鏡も利用できるため、経鼻内視鏡の使用で挿入が比較的楽になり、開口障害、食道噴門部狭窄例でも可能になりました。しかし、現法では初期造設時は細径のバルーン型チューブの使用に限定される、また、太い針で穿刺するため胃後壁部分の損傷の恐れがあるという欠点があります。そこで近年、Introducer法の改良版としてDirect法が考案されました。胃壁固定後、細い針で穿刺しダイレータで鈍的に拡張し、経皮交換の要領で一期的に留置する方法です。

<PEG手技の特徴>

Push/Pull法 Introducer法 Direct法
機材 穿刺針 細い(14〜18G) 太い(12〜16G) 細い(18G)
カテーテル径 太い(18〜28F) 細い(11〜15F) 太い(24F)
造設操作 針の切れ 良好(細いため) 胃壁に斜めだと悪い 胃壁に斜めだと悪い
カテーテル留置 やや力が必要 もっとも容易 もっとも容易
口腔内細菌付着 可能性あり なし なし
内視鏡挿入回数 2回 1回 1回
 当院も細径の経鼻内視鏡を導入しておりますので、内視鏡挿入が比較的楽になり、上述のDirect法などにより感染合併症もより少なく、より安全に留置できるようになっています。
御興味のある方はいつでもご相談下さい。

折り紙

日本折紙協会認定講師 元検査室技師長 川崎 道子

季節を折る ―冬―

 今年の秋はアッという間に去り、冬となってしまいました。十二月と言えば「クリスマス」。緑、赤、白のクリスマスカラーを基本に、皆が楽しめるものを色紙(写真1.)と立体(写真2.)で表現しました。2.の木は本当の立体ですが、聖歌隊の女性は平面なのでドレスの下に支え(楊枝)を入れています。キラキラ光る物を貼ったり、置いたり、頬紅をつけたりして雰囲気を出しています。
 来年はネズミ年。ネズミは昔から嫌われ者ですが、十二支のトップでもあり、我々と共に仲良く(?)生きてきた動物ですので、この際年頭を彩ってもらう事にしました。(写真3.)ネズミに小判。(ネズミに打出の小槌、米俵、沢山の仲間達、晴着等を加えて)新春にふさわしいものを心がけました。最近ではあまり見かけることが無い雪ウサギ、雪ダルマですが、何十年か前の思い出を色紙作品(写真4.)にまとめました。
 他に豆色紙のひと休み中のサンタ(写真5.)獅子舞(写真6.)、立体作品の招き猫(写真7.)、色紙の椿(写真8.)等をご紹介します。では又、花がほころぶ頃お目にかかりましょう。
作品は検査室の前、旧館待合室に展示してあります。


ワンポイントリハビリテーション Vol. 2.

理学療法士 横田英敏・秀野 公一

五十肩の患者さんへ

「ペットボトル体操を行いましょう」

 五十肩は痛みと供に肩に運動制限が起こるのが特徴です。痛みは取れても手が後ろに回せなかったり、上げられなかったりします。これを放置していても改善しませんし、また痛みが元に戻り、症状が長期化する危険性があります。この体操は無理のない動作で肩関節の可動域を広げて関節の癒着を取り、組織の回復も促して五十肩を快方に向かわせます。
 500mlのペットボトルなどを重りに使って是非取り組みましょう。痛みがある方は悪化する恐れがありますので、一度ご相談ください。

前後に動かす

左右に動かす

円を描くように動かす


編集後記

 本格的な冬の訪れとともに、水不足が深刻化してまいりました。十数年前の大渇水を思い出される方も多いのではないでしょうか・・・ 一日も早く、まとまった雨が欲しいものです。
 さて、“こころ 14号”楽しみいただけましたでしょうか?「お薬っていつ飲むの?」では指示通りに服用することの重要性を十分ご理解いただけたことと思います。
 スタッフ一同、皆様に有意義な情報をお届けしたいと頑張っております。ご意見ご要望等ございましたら、スタッフあるいは待合室設置のご意見箱までお寄せ下さい。
 時節柄、風邪には十分お気をつけ下さいませ。

(濱野 京子)

編集長  坂口(副院長)
編集委員 笹山・前田(事務部)、村山・田嶋・金子・小野(看護部)、岩佐(検査部)、濱野(薬剤部)、秀野(リハビリ)、中島(栄養管理室)、橋口(放射線部)

平成20年 7月 6日作成