久保内科病院 広報誌


Vol.10
2007年冬号

発行/医療法人是心会 久保内科病院 佐世保市田原町11−9(広報委員会)TEL 0956-49-3377

CT装置を更新しました。               放射線科 橋口 秀利

当院では新型のマルチスライスCTを設置しました
マルチスライスCTの特徴
  • 患者様に苦痛を与えず、安全に短時間で精密な検査が行える画期的なCTです。
  • 従来のCTに比べ、格段に撮影時間が短くなりました。
  • 立体画面の表示が可能で、複雑な血管走行や病変形態が容易に把握できるようになりました。2-3mm程度の動脈瘤の描出が行えます。
  • 外来で脳血管検査が可能になりました。

内臓脂肪型肥満の確定診断はCT検査で行います

腹部CT画像から内臓脂肪と皮下脂肪の面積を測定し、色別表示します。この測定値から内臓脂肪型肥満の診断を行います。自覚症状のあるなしにかかわらず、一度当院医師にご相談ください。


日本医療評価機構より認定されました
よりよい医療をめざして Part

機能評価委員会運営幹事 池田 久子

 平成16年より、日本医療機能評価機構の認定を受けるべく様々な取り組みを致して参りましたが、お陰様で審査体制区分1の認定証を頂きました。来院された患者様、入院されている患者様に安全かつ良質な医療を提供するという、実に基本的な事への取り組みでしたが、病院にとりましてはハードルが高く病院全体一丸となって挑戦致しました。階段両側の手摺の設置、プライバシーを守るため診察室に扉を付け、また病気の説明をしたり、患者様のご相談をお受けする部屋を設けましたし、車椅子でもご利用して頂ける洋式トイレへの変更等々、より安全性と利便性を追求しました。最も力を入れましたのがリハビリテーション科の設置です。院長の将来の目標として、リハビリテーション科・ターミナルケアの充実をかかげ、その実現のための第一歩を踏み出しました。この事は審査において高い評価を受けました。又、誰もがいかなる場合も同じような作業を行うことが出来るようにケースに応じた手順書を多数作成しました。これにより流れがスムーズになり、仕事がし易くなりました。委員会も多数立ち上げ、皆の意見を反映した運営が出来る様になりました。その一つとして、医療サービス委員会が設置したご意見箱に患者様からの色々な意見を頂き、一つ一つ検討して対応させて頂いております。
 しかしこの制度も五年後には次の階級へと更新しなくてはなりません。次回は今回作成しました枠組みの中身をどう充実させ実践しているかが問われて参ります。これまでの医療界では医師が「診てやる」「治してやる」という「医師中心」でしたが、今では「患者様中心」へと動いています。各専門職が力を合わせてチーム医療を行うことによって、患者様により大きなメリットをもたらすことにつながります。そのためには医療スタッフ一人一人が相当な力をつけなければなりません。そして、医師と医師、医師と他の専門職が信頼しあい、お互いを尊敬しながら思いやりをもって進めるべきだと考えます。このチーム医療を浸透させるためには、院長の益々の牽引力を期待したいと思います。
 平成18年、また今年もあっという間に過ぎ去ろうとしています。年明け早々、久保謹平名誉院長の死という悲報に打ちひしがれましたが、いかなることが起ころうと年月は待ってくれません。次のステップに向かって、名誉院長に恥じぬ様、よりよい医療を目指して努力して参ります。

陶淵明「雑詩十二種」より
「盛年重ねては来らず 一日再び晨なり難し 時に及んで当に勉励すべし歳月人を待たず」

















医局より患者様へ

医局長 延原 幸嗣

 当院では現在8名の内科医が常勤しています。皆、内科全般にわたる病気を診る訓練を受けていますが、各々特に専門とする分野があります。初代の久保謹平先生の時代より当院では特に消化器科に力を入れており、久保啓吾理事長、坂口副院長と長崎大学第2内科より招いた古巣、豆谷、蓮把医師が担当しています。また久保次郎院長が循環器科、呼吸器科、代謝(糖尿病)を、久保貞子医師が内分泌(甲状腺)を、延原医師が神経内科を特に専門としています。外来に通院されている患者様は自分の病状などに合わせて担当の医師(ホームドクター)を決めて、本誌裏の外来一覧表を参考に受診されることをお勧めします。これは定期的に同じ医師が診ることで信頼関係も深まりますし、少しの体調変化から新たな病気の発見にも繋がる利点もあります。また入院患者様に対しては主治医だけでなく医師全員が患者様全員の病状を把握するために回診を行い、またそれを検討する会を毎週開いています。私どもは当院を訪れた患者様が、ひとりでも多く健康で笑顔がみられるよう、今後も努力を続けていきたいと考えています。


ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)について

医師 蓮把 秋子

 みなさんはピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)という名前を聞いたことがありますか?ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌です。ピロリ菌は1982年にオーストラリアで病理医のウォーレン博士と内科研修医のマーシャル医師により初めて分離培養されました。1985年にはマーシャル医師は自分でピロリ菌を飲む実験を行い7日目に腹部膨満等の症状が出現し、10日目の内視鏡検査では急性胃炎とピロリ菌の存在を確認、14日目に自然排泄を確認しました。
 その後のさまざまな研究から、ピロリ菌が胃・十二指腸潰瘍や胃癌などの病気に深くかかわっていることが明らかになってきました。感染経路はまだはっきりとわかっていませんが、口を介した感染(経口感染)が大部分であろうと考えられています。また、ピロリ菌の感染率は、衛生環境と関係していると考えられており、上下水道が十分普及していなかった世代の人で高い感染率となっています。現在、日本ではピロリ菌感染者数は5000万〜6000万人いるといわれていますが、衛生環境が整った現代では今後、減る傾向にあると考えられています。
 ピロリ菌の検査方法には内視鏡を使う方法と内視鏡を使わない方法があります。内視鏡を使う方法では、内視鏡により採取した胃の組織を用います。また、内視鏡を使わない方法には、血液や尿を採取して行う抗体測定、検査用の薬を飲んだ後に吐き出された息を調べて行う尿素呼気試験、便を調べる方法があります。
 胃・十二指腸潰瘍の患者さんはピロリ菌に感染していることが多く、潰瘍の発生、さらに再発や治りにくさに、ピロリ菌が関係していることがわかっています。薬を服用することにより、ピロリ菌を退治する治療を「除菌療法」といい、この除菌療法を行うことによって、完全というわけではありませんが、大部分の潰瘍の再発が抑制されることがわかってきました。(ただし、決して再発しないというわけではありません。)除菌療法とは、2種類の「抗生物質」と「胃酸の分泌を抑える薬」の合計3剤を同時に1日2回、7日間服用する治療法です。
 しかし、ピロリ菌に感染しているすべての人が除菌療法を受けなければならないわけではありません。ほとんどのピロリ菌感染者は、症状もなく、健康に暮らしています。よって、除菌療法が必要かどうかは医師とよく相談してください。
編集後記

 今回の「こころ」はいかがだったでしょうか?早いもので二桁の10号を発行することになりました。今回はCT装置が新しくなり性能が一段とよくなりました。また機能評価の認定も受けて、職員一同新たな気持ちで頑張っています。今後ともよろしくお願いします。また病院や広報誌に対するご意見ご感想もお願い致します。
 朝夕の冷え込みが厳しくなってきました。風邪などひかれませぬようお体には十分お気をつけくださいませ。

(前田 千鶴)

編集長  坂口(副院長)
編集委員 笹山・井手(事務部)、藤山・前田幸・井元・鴨川(看護部)、岩佐(検査部)、田島(薬剤部)、橋口(放射線部)、塚本(栄養管理室)

平成18年12月29日作成